保険に入るべきか?

父が近くの銀行に勧められ、10年ほど前に変額保険なるものに加入していた。

金保証、年金方式でもらえる、投資信託で利益が出れば、配当益も期待できるというものである。とくに「元金保証」「年金」のフレーズは食いつきがいい。上手に、年寄りを誘惑する商品をつくるものである。この実体は、元金保証は死亡しないと元金が戻ってこない、年金は約30年間(父なら約100才まで)で元金と同じ金額が返ってくるだけ、配当益については、この株高でも利益出ず(銀行+証券会社の手数料が高いのだろう)で、今、解約すると1割ぐらいの損失が出る。銀行の勧める金融商品など、こんなものだろう。日本の保険商品の多くは、割高である。生命保険など、ネット生命保険以外は、ろくに還元率を公表すらしておらず、宝くじの50%の還元率を下回っているのではないかともいわれている。生命保険に入るのも宝くじ買うのも、経済的行動としては、たいした違いがないということである。

保険のために、家計が圧迫され、生活が苦しくなるようでは、本末転倒である。ほんらいの保険のあり方は、その災難に遭ったとき、壊滅的な状態になるのを補償してくれるかどうかだと思う。例えば、家が焼けたとき、住む家がなくなって路頭に迷うようなことがあるならば火災保険に入るべきである。賠償金が億になるかもしれない人身事故に備えるには、対人無制限の自動車保険も入るべきだろう。でも生命保険については、入る必要があるのだろうか。これについては、次回書いてみたい。