新型コロナの実体(その3)(アビガン開発の白木公康先生の論文まとめ)新型コロナ(その3)

新型コロナウイルスの発症
従来のコロナカゼ(鼻カゼ邪)は感染後3日で発症、感染動物では約1カ月後でもウイルスが検出された。新型コロナは、ウイルス量は10日目がピーク、12~15日で減少する。無症状の感染者で症状がある患者と同等のウイルスが存在する。4日以上の発熱で新型コロナのサイン、5~6日ごろで階段の上りで息切れ、発熱後8日で呼吸困難が出て、間質性肺炎(肺の炎症)が報告される。1~14日で発症し、97.5%が11.5日以内に発症し、中央値は5.1日。増殖したウイルスは直接薬で殺すことはできないので、ウイルスが増殖して急性呼吸窮迫症候群(ARDS)になる前に、間質性肺炎を早く見つけ、抗ウイルス治療を早期(発症から6日まで)に開始すべき。CTでは発症後すぐに陰影を呈する。3週間までに徐々に浸潤影(肺胞内への細胞成分や液体成分が入り込んで生じる)を呈するものが多くなる。中国シンセンの調査では、アビガン投与でウイルス消失まで4日かかり、ウイルス消失から炎症の回復までさらに時間がかかる。SARSでは発症後4週間で55~62%が肺が腺維化(組織が固くなり肺の機能が壊される)する。予後不良で、死を免れても後遺症を残す可能性もある。
コロナウイルスに対する免疫
コロナウイルスのような粘膜ウイルスの免疫は、6カ月続く。3カ月までは再感染しない。6カ月ぐらいでは再感染はあるが発症はせず、1年経つと以前と同様に感染し発症する。新型コロナのPCR検査で陰性化から陽性化の報告があるが、再感染は合理的に考えにくい。
※新型コロナの免疫については、まだわかっていないらしい。ただインフルなどと比べ、変異はおだやかなので、効果があるとされた抗ウイルス薬は今後も効く可能性が高い。
※PCR検査は特異度(陰性の人を正しく陰性と判定)は99%以上、感度(陽性の人を正しく陽性と判定)は30~70%といわれる。新型コロナの検査感度は高いようだが、それでも10人中の3人程度は新型コロナでないのに新型コロナと判定されそうである。逆に新型コロナなのに、新型コロナと判定されない確率は100人に1人以下。それでも誤りは起こりうる。

★以上で白木先生論文のまとめ終わります。なるべくわかりやすく要約したつもりですが、筆者の読み違いがあるかもしれませんので、原文もご確認ください。 

★たいへん重要な論文だと思い、勝手ながら引用させていただきました。ご容赦ください。