アビガンとはどんな薬なのか(開発者の白木公康先生の論文まとめ)

●アビガンの開発
もともと抗ヘルペス薬として開発。RNA合成をとめるので、ほとんどのRNAウイルス(インフル・コロナ・エボラなど)に有効。

ヘルペスなどはDNAウイルス。

※抗ウイルス剤はウイルスの増殖を抑えるが、増殖したウイルスを退治するわけでない。 
●インフルへの効果
タミフルとの差はなし。致死性の高いインフルでは、マウス実験でタミフルでは延命効果3日ほどで多くは死亡するが、アビガンではすべてのマウスを生存させる強い効果。
●副作用
尿酸値上昇約5%、下痢5%など約20%に副作用があるが、重い副作用はみられない。動物実験では初期胚に致死や奇形、精子の減少(ヒトでは精子減少は認められない)が認められた。
●アビガンの効果
発症6日までの早期治療で、ウイルスの早期消失や後遺症(肺の腺維化・瘢痕化)を最小限にし、肺炎重症化を阻止する。中国の重症インフルで、タミフルとアビガン併用で良好結果。アビガンは新規の感染細胞に有効だが、既成の感染細胞でウイルス産出阻止効果は低いので、併用が有効。
※肺の腺維化→肺が固くなり、呼吸がうまくできなくなる。