ギャンブル必勝法・投資必勝法と人工知能(AI)

当然のことながら、ギャンブルは胴元が必ず儲かるように出来ている。例えば、36まであるルーレット。1に賭けたとして確率は1/36というわけではなく、アメリカだと0と00(ヨーロッパは0のみ)があり、実際の確率は1/38。赤と黒のどちらかに賭ける場合でも、0と00は除外して、1/2の確率でない。約5%は必ず胴元の取り分となる。日本の競馬は25%が胴元の取り分なので、それと比較すると、ずいぶん少ない取り分のように思えるが、ルーレットは回数を多くこなすことができるので、効率がいい。またルーレットには、人為的要素がないので、回数を重ねれば必ず人間が負ける。しかし、ブラックジャックだと、カードが開示されているので、それを記憶するカードカウンティングという方法で、必勝法が編み出された(映画「ラスベガスをぶっつぶせ」)。

競馬の必勝法でも、著名な作家、浅田次郎さんの本に、900万下短距離ダート戦に絞って長年延々と賭け続け、世田谷に100坪の豪邸を建てた猛者の話が出てくる。また浅田さん自身も、新馬戦に絞って研究し、競馬でかなり儲けられたとのこと。毎年やる運動会の駆けっこみたいに、出場するメンバーがだいたい分かっていて、予想がしっかりできれば、控除率が25%もある競馬でも、儲けることも可能なようだ。

ギャンブルでない投資なら、研究して、うまい方法を編み出せば、もっと儲けることができるはずだ。投資における控除は、株式なら手数料、不動産なら仲介料や税など。両方とも、ギャンブルより控除率はずっと低く、情報が開示されている。

いまギャンブルや投資でもっとも強力な武器と考えられるのが、人工知能(AI)だろう。将棋で名人に勝つようなAIは、かわいいものである。でも、競馬予想でAIが導入されたら、どうなるか。2009年の時点でさえ、競馬ソフトを用いた会社が、160億円もの所得を得たこと(所得隠し)が発覚している。さらに株式なら、AIを使った投資法で、巨万の富を生み出している者がきっといるに違いない。でも、これらのことは、あまり表に出てこない。AIの活用は、Nスペのタクシーの乗客情報に使うなんて生やさしい話で済むようなことでは、きっとないのだと思う。